杭州西湖文化景観


2011年6月24日、杭州西湖文化景観が審議を経て「世界遺産リスト」に登録された


西湖は、杭州市の西側に位置している湖である。西湖を中心としての西湖風景区は中国国家AAAAA級の観光地に指定され、世界文化遺産としても登録されている。


西湖の一方が繁栄している町と繋がっていて、三方が山に囲まれ、風景区の面積がほぼ 60 平方キロあり、そのうち、湖の面積が 6.38 平方キロもある。美しい山や水、そして奥深い林に恵まれている西湖は、「人間の天国」という美名を持っている。


はっきりしている四季の恵みで、西湖の風景が一年中変化している。蘇堤春暁、曲院風荷、平湖秋月、断橋残雪はそれぞれ西湖の春夏秋冬の変化を描かれてきた。それとともに、柳浪聞鴬、花港観魚、三潭印月、雷峰夕照、南屏晩鐘と双峰挿雲は「西湖十景」と呼ばれていて、国内外に有名となっている。また、玉皇飛雲、宝石流霞、黄龍吐翠、満隴桂雨、呉山天風、龍井問茶、虎跑夢泉、雲棲竹径、九渓煙樹と阮墩環碧は 「西湖新十景」と呼ばれてきた。それほど多く観光名所が集まっている西湖風景区はさすが一日で回るのは難しいであろう。


一方で西湖の魅力はその美し景色だけでなく、古くから積みきた豊富な歴史文化、民間伝説が人々の心を惹かれている。


唐代の著名な詩人の白居易は「杭州を離れぬわけは、半分はこの湖があるから」という意味の詩を作り、西湖に対する痴情を表した。また宋代の詩人の蘇東坡は、西湖を古代の四大美人の一人である西施に喩し、「晴れた光のなかにあるもよし、雨に煙るもまたよし。西湖を西施にたとえれば、薄化粧と厚化粧もすべてよし」と詠んでいる。この二人の苗字を借りて命名された二本の長い堤、白堤と蘇堤は、二本の錦のグリーンリボンの如く波の上に浮き上がり、その上を歩くと、近くの色鮮やかな花々と遠の湖と山が眺められ、前に進むたびに景色が変わる楽しさを堪能できる。


このような、自然、人文、歴史、芸術を一体に合わせる西湖は、毎年、国内外から 3000万人にも上る観光客を惹かれている。