興安里は、地下鉄定安路駅の東北側の奎垣巷沿線にある、邸宅「丁家花園」を中心とした一帯だ。ここは、抗戦、民国期の住宅、民家と庭園を知ることができる、歴史的価値の高い場所だ。
奎垣巷に入ると、80年代の建築様式の住宅街に佇む古い表門が見える。そこを通ると、「丁家花園」だ。
「丁家花園」の門には「興安里」と書かれており、上には赤い五角形の星がついている。主要な建物は平行して建つ2軒のヨーロッパ風の別荘建築で、間は長い廊下でつながれている。また、この北側には6棟の「石庫門」様式の建物が並び、ここを総称して「興安里」と呼ぶ。
建物以外の見どころは小さなオープンガーデンだ。池や橋、築山や奇石、花々や木々が配されたこの場所では、一歩すすむごとに新しい景色が目に映る。ここを訪れた人は、喧噪の市街地に隠された桃源郷を見つけて驚き、魅了されずにはいられないだろう。
特に、築山のそばの樹齢400年を超える珊瑚朴樹、西館の南門にあるザクロの木や柚子の木は見ごたえがある。この木々は毎年ここで花を咲かせ実をつけ、年月の流れと歴史の移り変わりを物語っている。
丁家花園は、もともと山東省の塩運大臣であった丁階が所有していたもので、当時はしばしば優雅な催しが行われていた。
世の中の移り変わりとともに庭園の所有者も何度か変わった。 現在、ここは杭州書道名城芸術交流センターと杭州書道家協会となっており、書道、篆刻名家展が定期的に開催されている。