桐廬県:馬術競技その夢


6月9日午後、3日間の「韻味杭州」2022年桐廬馬術招待試合が正式に終了した。2022年アジア競技大会の会場の一つとして、浙江省桐廬馬術センターが今年初めに完成した以来、初めての「営業」となった。地元の人々に馬術の魅力を感じさせると同時に、桐廬県をより多くの人に知られるようにして、アジア競技大会の到来をよりいっそう期待させた。


今回の試合には約1600人の観客が入場した。2022年アジア競技大会の延期が確認されたから、現場の観客数が最も多い「韻味杭州」シリーズ試合だった。


国内の名手に素晴らしい試合を楽しんでもらう

新型コロナウイルスの予防などの影響ため、参加する騎手も競走馬も大きな制限を受けた。でも、主催者側はオリンピック選手・張興嘉、全国運動会の優勝者・タズマ、浙江省の名将・陳重権を含む国内の名手を招待した。寧波市も多くの困難を克服し、今回の試合に10頭の競走馬を提供した。

張興嘉は嘉興市出身で、23歳という若さですでに経験豊富な騎手で、かつて多くの国内外の競馬大会に参加したことがあり、中国選手団の一員として東京オリンピックにも出場した。今回は浙江省桐廬馬術センターで、彼に違う感じを味わってもらいた。

「桐廬で試合に参加できてとても嬉しいです。競馬場や馬房の建設を含めて、会場全体が素晴らしいです。」浙江省桐廬馬術センターが提供する優れた条件は張興嘉のようなトップ騎手が最大の実力を発揮できた。特に翌日の障害競走では、張興嘉と馬の取り合わせがシームレスで、彼は「このコースは本当にいいです。私は最高の実力を発揮しました」と率直に言った。

寧波市出身の陳重権は同じく豊富な経験を持つ騎手で、彼から見れば、浙江省桐廬馬術センターの施設は非常に完備しており、良い体験を提供した。しかも、周囲の景色が心地よく、騎手だけでなく、馬も快適に感じられた。

多くの人の目にはそれほど映らない招待試合は、参加者に世界大会の感覚を味わってもらうことができたのは、浙江省桐廬馬術センターの優れた「実力」のおかげだ。


馬術の代表に最高の競技場を感じさせる

これまで杭州の各会場で行われていた「韻味杭州」シリーズ試合では、国際協会の役人が現場に足を運ぶことはあまりなかった。今回の馬術招待試合には、アジア馬術連盟(Asian Equestrian Federation)連絡官の葉益成氏が特別ゲストとして来場した。彼にはもう一つの身分があり、それは2022年アジア競技大会の馬場馬術の技術代表だ。

葉益成氏は「私はそんなに多くの会場を見たが、浙江桐廬馬術センターは最も美しい会場です」と話した。完備した施設を除いて、センター自体の位置には良い自然景観があり、2つの要素の結合は非常に完璧で調和した。

馬術は人と馬が協力するスポーツであることはよく知られている。葉益成にとって、会場の美しさよりも馬を中心にすることが重要で、馬を大切にしてこそ、優秀な会場の真髄を体現する。実際、今回の招待試合のために、すべての馬は45日間の隔離を経た。桐廬馬術センターのスタッフの心のこもった配慮がなければ、馬は生き生きと競技場に姿を現しなく、騎手と一緒にすばらしい馬術をすることもできなくなった。

「馬術の主体は馬であり、会場もそれを完璧に体現します」。葉益成氏によると、桐廬馬術センターは馬のテーマパークのようなもので、馬の装飾が多く見られ、建物自体が漢字の「马」の形であることでも、会場の特徴を体現したという。

ここ数日、葉益成氏が観客として体験したのは馬術だけでなく、桐廬県の美しさだった。「山々に囲まれ、霧が立ち込めていて、まるで水墨画です。このような環境で馬術を鑑賞することは、ユニークな体験ではないとしても決して指折りの体験です。競技場の施設からサービスまで、桐廬県のアジア競技大会に対する情熱と期待を実感しました」



より多くの市民に馬術の魅力を知ってもらう

今年の5月初め、2022年アジア競技大会の延期が発表された。今回の招待試合はこの後初めて開かれた「韻味杭州」シリーズ試合で、約1600人の観衆が桐廬馬術センターに入った。彼らは故郷の急速な発展を目撃すると同時に、家の前で馬術の魅力を間近に感じた。

ほとんどの観客と同じように、李さんが桐廬馬術センターに入ったのは初めてだ。「以前はテレビで馬術をあまり見なかったので、現場で見るのはとても楽しかったですね。会場が建てられた当初から、ここで試合が見られるのを楽しみにしていたのですが、まさかアジア大会が開幕する前に願いが叶いました。家の近くにこのような立派な会場があって、私はとても誇りに思っています。今回の試合を見て、アジア大会がもっと楽しみになり、きっとまた来ます」

ほとんどの観客が馬術競技を初めて見ることを考慮して、主催者はわざわざみんなのために知識を用意し、観戦のマナーについても現場で紹介した。例えば、「馬を驚かせないために、試合中に写真を撮るのにフラッシュを使ってはいけません。騎手は各レースを終えてから拍手します」李さんによると、これらのルールを知ったのは初めてで、馬術は確かに紳士的なスポーツだと感じたという。

騎手が馬に乗って何度も障害を乗り越えていくのを見て、観衆は興奮した。その中で、約5、6歳の男の子は興奮を抑えきれず、父に大声で「私はこれからも馬に乗りたい!」もしかしたら、将来彼はプロの騎手になるとは限らないかもしれないが、しかし、その瞬間に馬術の夢の「種」が心に埋もれていた。

関連データの統計によると、近年、中国の馬術に従事する人のうち、青少年の割合は過去の30%から70%に増加した。馬術は青少年の成長と高尚な品格形成に重要な役割を果たすことは、すでに社会共通認識となった。


桐廬県に中国の馬術の発展を後押しさせる

2008年の北京五輪で中国チームが馬術に初出場、東京五輪では団体戦9位となった。過去10年余りの間、中国の馬術は絶えず新しい歴史を作り続けている。今年4月に、中国馬術チームは2022年アジア競技大会の団体及び個人の出場枠の目標を達成した。桐廬県で初の金メダルを獲得することは中国馬術チームの重点になる。

桐廬馬術センターの意義は競技スポーツに限らなく、アジア大会後に競技場を活用できれば、地元の馬術に大きな将来性が期待でき、中国の馬術発展を後押しする可能性が高い。

桐廬馬術センターは国内有数の馬術の3種ができる競技場。アジア馬術連盟の副主席、中国馬術協会事の務総長・鐘国偉氏は、「桐廬馬術センターの建設基準と等級は、トップレベルと言えます。今後数年あるいは十数年の間に、馬術競技を引き受ける上で明らかな優位性があります」と述べた。彼は、アジア大会後の競技場利用の重点は馬術競技を組織することで、「馬術&試合、馬術&育成、馬術&観光、馬術&ビジネス」などの面から力を入れることだと考えた。

例えば、国際トップクラスの試合を開催し、より多くの海外優秀な選手を桐県廬に誘致する。あるいは、馬術に強い国・地域と連携して、より多くの人に馬術とその魅力を本当に知ってもらう。「国際的な馬術レベルと比べて、中国は依然として一定の差があり、馬の育成、獣医の能力などさまざまな面が含まれます。ヨーロッパ、日本ではとっくに成熟した完全な産業チェーンが形成されて、この差は短時間で追いつくことは不可能です。試合を通じて最先端の技術や最新の理念を学び、参考にすることができます。それは非常に貴重なチャンスになります。」鐘国偉氏は自分の考えを示した。

同時に、中国で最も美しい県としての桐廬県もトップ競技大会とイベントのために世界に進出する。馬術競技のクライマックスは馬が障害物を乗り越えた時、すべての目が惹かれ、障害物に描かれたペイントの絵柄も世界中にカメラで展示される。桐廬県や杭州市を宣伝する好機に違いない。今回使用した障害物には、桐廬切り紙、瑶琳仙境、雷峰塔、畲族文化などのペイントが施された。

桐廬県は、中国馬術の発展の新たな起点となるだろう。