生きた南宋の歴史:望仙閣の「匠の精神」


望仙閣は中山南路の北、鼓楼の向こうに位置し、このタワー型の建物は高々としたシックで目を引く。望仙閣は高さ45メートル、地上3階が展示エリアになって、最上階に登ると絶景を満喫でき、南宋のにぎやかな光景が足元にあるようだ。

でも、最も注目されているのは地下1階、ここには南宋時代の手作り工房の遺跡が隠されている。遺跡は2010年の夏に発掘され、面積約13メートル×13メートル、考古学の成果から推測すると、ここはもともと染物屋だった可能性が高い。南宋の消防署の片隅、あるいはレストランの食器洗い場ではないかと推測する学者や専門家もいる。遺跡をよりよく守るために、望仙閣が正式に建てられた。

特筆すべきは、南宋の紡績は非常に発達していた。その時、紡績に最も多く使われていた材料はカイコの繭からの糸で、木綿もより多く利用され始めた。南宋の紡績は多くの農村では内職として余分な収入を得て、町では糸車などの道具を使う店も増えた。一部の紡績が発達した地域では、その内部の分業も明確化された。しかも、江南地域が紡績の重心になりつつあるのも南宋の特徴でもあった。