馬術


馬術の起源はヨーロッパ、初めて競技として採用されたパリオリンピック(1900年)では[7]「乗馬走り高跳び」「乗馬走り幅跳び」の2種目があった。近代オリンピックにおいては、ヘルシンキオリンピック(1952年)にて騎兵将校以外の男子および女子の参加が認められ、馬術はオリンピック初の男女共同種目となった。ニューデリーで開催された1982年アジア競技大会では、馬術が正式競技種目となった。アジア競技大会の馬術競技は馬場馬術、障害飛越競技、総合馬術に分けられ、各種目は個人戦と団体戦に分けられる。


馬場馬術(ドレッサージュ/Dressage)は、「馬術のバレエ」と呼ばれ、馬を正確かつ美しく運動させることができるかを競うものである。長さ60メートル、横20メートルの競技場で、1騎ずつ行われる。定められた経路により、定められた歩様(歩法)、歩度、運動課目で図形を描いていく、フィギュアスケートの以前の規定のような種目と、所定の課目を音楽に合わせて自由に組み合わせて行う自由演技(フリースタイル、キュア)とがある。選手や馬の動き、姿勢、難易度などのテクニックや芸術レベルに応じて採点する。


障害飛越競技は、飛び越さなければ通過できない施設(障害)が設置されたコース(経路)を、乗馬して通過する技術を競う競技である。通常は砂地や芝生の上で、馬に乗って規定のコースと順序に従って、障害物をすべて飛び越える。障害に触れ、馬が障害を避け、規定タイムを超過などの場合は減点、落馬などの場合は失権。最高成績は無減点。


総合馬術はイベンティング(Eventing)と呼ばれ、競技の進行として、3日間をかけて同一人馬により競技が行われる。初日に馬場馬術競技、2日目にクロスカントリー、3日目に障害飛越競技が行われる。その中で、馬場馬術競技と障害飛越競技はそれぞれの種目の基本規則と採点方法と似ている。クロスカントリー(エンデュランス馬術競技)とは、一般的に数十キロメートルの長距離を数時間かけて騎乗し、その走破タイムを競う競技である。距離の長さによって1つ星(3200メートル)から5つ星(6700メートル)までさまざまで、星が高いほど距離が長くなる。竹柵、生垣、池、水濠、乾壕などの障害物が設置される。審判は選手と馬の表現と時間に基づいて評価し、総成績はすべての罰点の総和であり、罰点は少ないほど良い。


2022年アジア競技大会の馬術競技には金メダル6個が設置される。


情報源:2022年アジア競技大会組織委員会