二十四節気の中の立夏は夏の始まりを示す節気で、「立夏節」とも呼ばれ、中国の伝統的な祝日の一つ。
立夏の日、半山一帯の人々が烏飯を作るのに忙しい。烏飯の原材料はもち米とシャシャンボの葉で、まず葉を水に浸して黒紫色の汁を出し、そしてきれいに洗ったもち米を入れてに染まるまで浸し、最後にもち米を蒸し上げる。立夏にもち米を食べると、夏中熱中症になりにくく、蚊に刺されにくいと言われている。
体重を量るのも立夏独特の風習。昔、立夏の日になると、どの家も大きな天秤ばかりで体重を量っていた。秤量の仕方にはこだわりがあり、秤の錘は外側に向かって調節しなければならず、内側に調節してはならない。これは人々の体重が増えても減らなく、生活が豊かであることを意味する。
この風習は三国時代に始まったと言われている。蜀漢滅亡後、魏の司馬昭は蜀漢の大臣と庶民をなだめるために、劉禅を安楽公として封じ、優遇を示した。劉禅が封を受けた日は、ちょうど立夏で、司馬昭は洛陽に着いた元蜀漢の大臣の前で、劉禅に体重を量った。司馬昭はこれから毎年立夏に劉禅にを量り、決して彼に損をしなく、体重が増えても減らないことを保証した。その後、民間ではこのやり方に倣い、次第に立夏の風習が形成されていった。
「野外のご飯」も半山の立夏の風習である。子供たちはチームを組んで、近所の住民たちに米や肉を乞い、畑のソラマメや山のタケノコなどの野菜を摘み取り、野外で自炊する。この風習の本義は、昔子供の野外での生存能力を育て、万が一不幸にも戦争や災害に遭ったら乞食になっても生きていけることだった。
また、浙江省には今でも「立夏に体を補う食物を食べる」の風習がある。半山一帯では夏餅、魚、烏飯、梅干し、ソラマメ、サクランボ、腊肉、ガチョウ、アヒルの卵、タニシ、アマランサス、酒醸など12種類の食材が一般的である。
2016年、中国の二十四節気はユネスコの無形文化遺産代表リストに登録された。半山の立夏の風習はその重要な一部である。