中国の養蚕・絹織物の職人技術——杭羅の編み・製造の技術


杭羅、蘇緞、雲錦は中国華東の三つの絹織物の名物である。杭羅は杭州原産で、良い絹糸で編んだもので、表面に等間隔の直棒状または横棒状の小さな織り目(編んだ跡)、生地の手触りが滑らかで柔らかく、全体的にきれいで少し反射することもできる。この織物を着ると軽くて、涼しくて、夏のシャツや私服の生地に使われることが多い。しかも杭羅の生地は丈夫で、着崩れしにくいし、洗い壊しもしにくい。


杭羅の歴史は古く、宋代の文献に早くも記載され、清代にはすでに杭州絹織物の有名な品種となっていた。杭羅を生産する道具や機器は何度も変革されているが、生産の過程においても大量の精密で緻密な手作業プロセスが維持され、スキルへの要求は常に非常に高かった。


生地は工場に入ってから、厳格に検査・選別しなければならない。その後、浸漬、乾燥、巻き取りなどの一連のプロセスを経て、機械や手作業で編む。織り上げた製品は精練、染色などのプロセスを経なければならず、最終的には精緻な杭羅になることができない


杭羅の編み・製造の技術が複雑なため、従来から伝承されている人は少ない。特に、20世紀以来、化学繊維は強い衝撃を与え、伝統的な絹織物の生産は困難を極めてき、杭羅の生産はさらに不景気になった。現在、全国で杭羅を生産している工場は福興絹織物工場だけで、工場長の邵官興氏は杭羅の伝承者家族の出身で、彼は一連の技術を直接継承している。昔から、福興絹織物工場の杭羅は北京「瑞蚨祥」、蘇州「乾泰祥」などの老舗が販売してき、国内外の消費者に大人気がある。